しかし、1990年以降の犯罪は、国が豊かになり、外的には何不自由のない環境であるにもかかわらず凶悪犯罪が増えつつあると言うことです。そして、グラフを見ても分かるように、激しい上昇を続けています。1990年の凶悪犯罪計が1078であるのに対して1999年では2237と約10年間で倍増しているのです。

最近の青少年凶悪犯罪の特徴を調べたところ、一見安定している生活をしている家族、明るくて普通の子が犯罪を犯している。犯罪をしても反省の色がない。凶悪犯罪を犯すほどの動機が見つからない。また、異常なほどの悪質、肉体の傷つけ方などが挙げられれるのです。
まさに外的な理屈だけでは説明が付かない事態が起きていると言うことです。それは「心」「内的」な問題が加わってきていると言うことです。内的なものとは、当然外的環境の変化が内的なもに影響を与えているとも言えます。
今、多くの宗教団体が高度情報化社会による青少年への悪影響、家庭の問題に対して警鐘を鳴らしています。
情報化社会の弊害として、携帯電話やゲーム機などが悪影響を及ぼしているとも言えるでしょう。特にこれらはバーチャルリアリティ(仮想現実)という、仮想(空想)世界と現実とのギャップを感じなくなる、麻痺して見分けがつかなくなると言う現象が起きています。このように精神的な支障、不安定に起因があると言えます。 ですから、青少年の学校教育、家庭問題、青少年を取り巻く環境を改善していかない限り、凶悪犯罪の防止にはならないでしょう。これらのどれひとつがかけても解決できないと思います。
取り締まりや、刑罰を強化しても、それは犯罪を犯した結果、科されるものであり、根本的な防止にはならないでしょう。ですから本来神が人間を創造した価値を知らない限り、青少年自身が自己中心的な欲望を抑制することはできないでしょう。同時に青少年を取り囲む大人が同じように、神の人間創造の価値を知らずして正しい教育を成すことはできないでしょう。