まずは、「ゴミ問題」を社会という観点ではなく、自分の生活を中心に考えてみたいと思います。
私は幼少から中学生にかけては、田舎の山奥に住んでいましたので、「ゴミ」という言葉をあまり意識したことがありません。なぜなら、家の周りには山があり、竹藪があり、田んぼがあり、畑があるという状態でしたから、不要なものが出ると、どこか適当なところに捨てるというのが常でした。いわゆる一世帯あたりが所有する土地が広いので、家庭から出る可燃ゴミ・不燃ゴミ・粗大ゴミなどに関しては、捨て場が無限と言って良いほどあるのです。といっても何代も続くと粗大ゴミなどは限界が来ると思いますが。
因みに残飯・生ゴミなどは、家畜(牛)・ペット(犬・猫)が喜んで整理してくれました。燃えるゴミはほとんど風呂焚きで燃やしていました。当時は「温暖化」「CO2の問題」などと言った単語は聞いたことがありません。そして極めつけは、人間の糞尿は畑に蒔かれていました。畑と言っても、売り物を栽培する畑ではありません。自給用の畑です。
このように、「ゴミ問題」などという言葉には全く縁がない環境で育ってきたので、逆に「ゴミ」という言葉には過剰に反応してしまうのです。
それでは、世界のゴミの排出状況を見てみましょう。下の表は、一人あたりの一日のゴミの排出量をキログラムで表したものです。アメリカがトップだと思っていましたが、意外にも韓国がトップです。日本は5位ですね。無難なところかなと感じます。逆に韓国は日本の2倍以上のゴミ排出量と言うことで、今後のことが心配です。

次に、東京23区の一般ゴミの推移を調べてみました。青い折れ線がゴミの推移ですが、凄まじい伸びです。昭和44年ぐらいまでは人口(赤い折れ線)の増加と共にゴミが増えているとも言えますが、その後は、オイルショックやゴミの分別などの改善の影響もあ、減少した頃もありますが、人口が減少気味であるのに、ゴミが増えています。しかし、平成元年よりゴミ問題の深刻化により、減少の傾向にあります。

行政や国民の意識により、ゴミは現象の傾向にありますが、しかしその絶対量と処理のための経費は多大です。
ゴミが増加した理由として以下ののことが考えられています。
@使い捨て文化の広がり
A耐久消費財の普及・大型化
B製品の短寿命化による家庭ゴミ(一般家庭の日常生活に伴って生じたゴミ)の増大
C流通・サービス業の拡張
D情報化・OA化の進展(ペーパーレス化のはずでしたが)等に伴う事業系ゴミ(事業活動に伴って生じたゴミ)の増大
上記の中でも、@の使い捨て文化の広がりというものが大きいと考えています。
次回は、「ゴミはどこに行くのか」というテーマで考えてみたいと思います。